友愛5月号—中田湖々さんの韓国PAX報告

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韓国PAXに参加して
中田湖々


私は韓国への派遣を通じて、文化の違いにおどろきました。

日本と同じアジア国であり、とても近い国にもかかわらず、違いが多くありました。例えば食の面では1日の中で必ず家族全員がそろって食べる時間を作り、コミュニケーションを大切にすることが挙げられます。近年の日本では多くの人が仕事や学校のいそがしさで家庭内での時間のずれが大きくあり、以前ほどのコミュニケーションがとれてないように思えます。

その中で日本と似た文化もありました。例えば、韓国では目上の方への礼儀を大切にします。日本でもそうなのですが、日本との違いとしてはどれだけ仲良くても1歳でも違ったら、とても丁寧に話さなければなりません。他にも日本が韓国から影響されていることもあります。例えばK-POP。今、日本の若者の間ではTWICEやBTSが流行となっています。

お互いが文化を共有している中で、まだ日本は過去のことを謝ることができていません。これからの日本の態度が改められ、両国での絆ができるように、平和について発信していきたいと感じました。


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友愛5月号—松本滋恵さんの韓国PAX報告

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韓国RAXに参加して
松本滋恵


4月30日から5月5日まで韓国PAXに参加しました。この旅行では、通常では参加、訪問しない所に行き、貴重な経験をしました。

まず、毎週水曜日、日本大使館前での慰安婦の抗議集会が行われており、5月1日が水曜日に当たり私たちは参加し、次に、午後、西大門刑務所歴史館に行き、更に2日は日本軍「慰安婦」歴史資料館を見学し「ナヌルの家」においてハルモニに会いました。それぞれ旧日本軍の負の遺産です。

水曜日抗議集会では、始まる前にメソジストの牧師のメッセージと祈りがありました。韓国語が分からないので、何を言っているのか分かりませんでしたが、聖書マタイ5章44節には「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」とあるのに、抗議集会にどのようなメッセージをし、どのように祈るのであろうか理解出来ませんでした。

西大門刑務所歴史館は、日本植民地時代に独立運動家らを収監し、第二次大戦後は韓国政府が使用した獄舎などを保存公開しています。かつて、拷問と死刑が行われた施設です。

ナヌムの資料館では日本人の矢島宰さんが、慰安婦問題を初めて抗議、表明した姜徳景さんの活動のビデオを見せて下さり、彼女が心理ケアーのため絵を描き、その絵を見ました。それぞれの絵は、彼女の心の叫びが表現され、見る者に彼女と共鳴するところがありました。その後、二人のハルモニにお会いしました。二人は同姓同名で歳も同じ93歳との事でした。一人の方は淡々とした表情で語られましたが、心の根幹には何物にも屈せず、貫き通す強い信念がある方だと思い、「何がしたいか、何がしてほしいですか」と伺ったところ「謝罪と賠償だ」と言われました。もう一人の方は屈託のない明るい性格の方でした。

2日の夜、私は謝罪をし、被爆証言をしました。証言の後、質疑応答の時「原爆でひどい目に会っているのにアメリカに謝罪を求めないのか」と言われ、私は「アメリカ人の多くは、原爆によって早く戦争を終わらせたと肯定しています。日本には嫌なものは水に流す、臭い物には蓋をするという諺があり、多くの人は謝罪を求めていません。若い人は日本とアメリカがかつて戦争したことを知らない人もいます。現在の核は広島に投下した原爆の4000倍の威力があり、1発落とすと地球上の半分は放射能に汚染されます。人道上、そのような威力のある物を使用出来ないのに何故保有するのか、核廃絶に向かわなければと運動をしています。」と応えましたが、理解していただけたかどうか分かりません。

韓国には「恨」という文化があり、日本人には理解できないほど憎しみを長期期間持つそうです。しかし、キム・ヨン・ウン氏(『社会心理学』1989)は「韓国民は非常に寛大であり、他人を許し、恨により自分たちの運命を甘受することができる民族である」と指摘しています。どちらも真実なものと思います。韓国の方が戦争の最高責任者の謝罪を希求する気持ちは理解できます。しかしもし、後者のほうを支持している人が多ければ和解の糸口が見えるのですが。現在日韓問題はギクシャクしています。若い人の力でこれからの日韓問題を解決してほしいと念願します。

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友愛5月号—藤本伊織さんの韓国PAX報告

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今回の韓国PAXに参加した感想
藤本伊織


今回の韓国PAXは私にとって初めての海外生活であり、初めての異文化交流でした。このプログラムに参加したことにより私は多くの経験と知識を得ることができました。

まず始めに、韓国の歴史です。今回のプログラムでは主に慰安婦問題について学びましたが、この学習を通して如何に日本が慰安婦問題から目を背けてきたか、そしてそれに対して被害者の方々や遺族の方々がどれほど悲痛な思いを抱いているかを痛感しました。私たち日本人がこの問題に関して全く興味を示さず、教育も受けず、まるで他人事のように捉えていることは相手に対して非常に失礼なことであるため、両国の関係を良好に築けるように私たちは今よりも積極的に関心を持ち、解決に近づけるよう政府に訴えかけなければいけないと感じました。また、松本さんの被ばく証言の質疑応答の時間では、「何故日本人は原爆の件を許しているのか」「謝罪は求めていないのか」など日本人と韓国人の思考の違いを明確に感じることもあり、こういった思考の違いが互いにすれ違いを生じさせている原因でもあると思いました。

次に、韓国の文化です。これは主にホームステイという特別な滞在により一般的なホテル宿泊の観光では得られない経験を得ることができました。例えば、手作りの韓国料理や、地元の方だからこそ知っているお店など、有名な観光地よりもよりローカルで現地の文化に直接触れられるものです。さらに、食事や観光だけでなく、ホストファミリーや現地の方々、子供たちとの会話を通して韓国語という新たな言語もほんの少しではありますが身につけることができました。

最後に、今回のプログラムに参加して一番良かったと思えることは家族が増えたことです。それは私のホストファミリーのことですが、彼らは私のことを初日から温かく迎え入れてくれ、毎日本物の家族のように接してくれ、最終日には「あなたは私たちの家族だから、韓国に来たときはいつでもうちに泊まればいい。」とまで言ってくれました。

これらの経験はすべて普通の観光や旅行では決して得られないものであり、たった6日間という短い期間でしたが、とても濃く有意義な時間で、本当に参加してよかったと思えるプログラムでした。今回このような素敵な機会を与えてくださったWFCの方々や、Peace buildingの方々に心から感謝しています。ありがとうございました。

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友愛5月号—中村圭吾さんの韓国PAX報告

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今回の韓国PAXを参加して
中村圭吾


私は今回の韓国PAXに参加してさまざまなことを学び、有意義な日々を送ることができた。今回の韓国PAXの参加を通して、従軍慰安婦や日本統治下の韓国について学ぶことができた。特に印象的だったことは、四つある。

一つ目は、二日目の午前に日本大使館前で行われた従軍慰安婦像前でのデモだ。当日は、メーデーであったためか、たくさんの人がデモに参加していた。特に多かったのは、学生であった。中には、ジャッキー・チェンの黄色い服を着て、安倍首相の顔写真を貼ったスポンジボールのようなもの殴っていたのが、興味深かった。女子学生や子供連れの女性も参加しており、日本よりも政治に対する関心が強いような気がした。デモでは、ダンスや歌など楽しそうな演出があり、日本よりも楽しそうなデモだったことが驚きであり、面白いと感じた。しかし、子供連れのお母さんがデモに参加しているのを見ると「こんな小さいときから反日感情を抱くような事をしなくてもいいのではないか」と悲しい気持ちになった。また、デモの中に入ると自分は祖国を裏切ったような変な気持ちにもなった。

二つ目は、ナヌムの家に訪問したことだ。ナヌムの家に併設された従軍慰安婦について歴史資料館に見学し、従軍慰安婦について学ぶことができた。そこでは、韓国軍の軍人もおり、私は、少々緊張した。私が驚いたことは、日本人の従軍慰安婦も存在していたことだ。私は、従軍慰安婦といえば、中国人や韓国人というイメージがあったからだ。元従軍慰安婦の方々とお会いする機会があり、いろいろな話を聞くことができた。一人の元従軍慰安婦の「自分が従軍慰安婦だった頃には生まれていないから今の日本人は許せる。謝罪してくれるのはうれしいが今の日本人には、関係ないことだから謝罪されても心は癒えない」という言葉が印象的だった。「安倍首相や昭和天皇に謝罪してほしい」という言葉にどれだけ苦痛を味わったのだろうかと考えさせられた。

三つ目は、景福宮に行ったことだ。私は、韓国の歴史ドラマが好きでよく見ていた。そこで、見ていた歴史建造物を間近で見ることができ、とてもうれしかった改めて韓国の宮殿の素晴らしさを痛感した。ソウル市内や景福宮は二回目の訪問だったが、以前より、黒人や欧米人が多いように感じた。韓国もグローバル化したような気がした。

四つ目は、韓国でのホストファミリーとの交流だ。二日目にはホストファザーにタッカルビとマッコリ、三日目には、サルギョプサルと酒をご馳走になった。そのときに、祖父の話や政治の話をした。ホームステイ先では、韓国の時代劇ドラマや韓国の童謡、韓国の教育事情について学ぶことができた。ホストマザーとは、中国語を少し、勉強したという共通点があり、打ち解けたような気がした。四日目の自由行動ではさまざまな助言をもらい、有意義な四日目を過ごすことができた。

今回のPAXに参加して、私が電車の乗換えを間違え、迷子になり、さまざまな人に迷惑をかけてしまったことをこの場で詫びたい。しかし、いろいろなことを学ぶことができ、有意義なゴールデンウィークを過ごすことができた。カレンからは、南京のサマーキャンプに誘われた。ぜひ参加したと思う。ホストファミリーをはじめ、PAXを受け入れたPEACEBUILDINGの方々、WFCの皆さんにお礼申し上げる。

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友愛5月号—キャパー実生さんの韓国PAX報告

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韓国PAX研修を通して
キャパー 実生


私は、PAXを通して韓国の若者の平和に対する思い、日韓の歴史的問題、韓国文化を理解し、体験することを目標としていました。その中でも、日韓の歴史的問題特に慰安婦問題のことを最初期待していたよりも深く理解することができ、今まで見たことのない視点から学ぶことができたとお思います。

まず、1日目には日本大使館前で行われた慰安婦問題のデモに参加しました。そこには休日にもかかわらず大人だけでなく若者が大勢いたことに私はとても驚きました。

彼らは、大人に言われたから黙って座っている日本の学生とは違い、積極的に呼びかけたり、歌を歌ったりしていて、正しくないと思うことに対して自らが進んで行動を起こす姿が印象に残りました。

二日目には、ナヌムの家に行って、戦争時の日本軍の下で女性たちがされた酷い過去について学びました。ハルモニの方々から直接話を聞いた時には、博物館で見たことが実際に今目の前にいる人に起こったのだと考えると涙が出ました。日本の学校に通い、日本の平和教育を受けてきた私が学校の教科書から学ぶことのなかった韓国側の事実を知ることができて、心が痛みました。ハルモニの方々が求めていることは、基本的に謝罪と慰安婦問題のことを教科書に載せることなのに、日本政府はなぜそれができないのか私には理解できませんでした。三日目にあった松本さんの被爆証言とその後あったQ and Aの時に私は言いましたが、過去の過ちを理解しないと未来の平和は実現できないと思います。

三日目の夜にあったQ and Aの時には、日本語と英語の訳をしている時にみんなの思いを聞くことができて様々な視点から物事を見ることができたと思います。そして、みんな日本の若者の思い、私たちが受ける平和教育に対し大きく興味を持ってくださって、一生懸命答えましたが、普段そういう質問を受けるのに慣れていなかったため、自分の考えを全て伝えることができなかったです。このような研修を受ける機会がある人は多くいないからそのぶん自分の意見をしっかりと持ってこの度経験することのできたことを少なくとも日本での友達や先生方には上手に伝えられるように頑張りたいと思います。

最終日には、ホストファミリーとココちゃんとオースティンと商店街でお買い物をした後、ピースビルディングに戻り、みんなで夕食を食べた後に輪になり思い出や印象に残ったことを話しました。私はこの研修中私を受け入れてくださった素敵なホストファミリーと携わってくださった方々にとても感謝しています。

この経験は一生忘れません。

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友愛5月号—立花志瑞雄さんの韓国PAX報告

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2019 韓国PAXレポート
立花志瑞雄


4月30日から5月5日まで、WFC 韓国PAXのツアーリーダーとして韓国を訪問しました。今回のプログラムを通して感じたことを報告します。

5月2日、私たちはナヌムの家(日本軍「従軍慰安婦」の方達が暮らしている)を訪れ、日本人スタッフ矢嶋宰さんの案内で、歴史館を見学しました。その後、イ・オクスンさんというハルモニ(おばあちゃん)にお会いしました。イさんは、私の謝罪に対して、私が求めているのは日本政府の謝罪であり、あなた個人の謝罪ではないと言われ、現在の日本の政権、安倍晋三首相から、謝罪があるとは期待できないと話されました。この言葉には少なからずショックを受けました。私たち市民には、ハルモニたちに対して、何もできることは、ないのでしょうか。

ナヌムの家を訪問した同じ日の夜、メンバーの一人、被爆者の松本滋恵さんの被爆証言を韓国の方達に、聞いていただく機会がありました。証言の後の質疑応答で、一人の韓国の方から、日本の人たちはアメリカに、原爆投下に対する謝罪を求めないのかという質問がありました。松本さんは、日本人がアメリカに謝罪を求めない理由の一つとして、日本人の水に流すという精神性をとりあげえ、応答しました。私からは被爆者の人たちは、世界中の誰一人として、自分たちと同じ経験をして欲しくないと考えていることを伝えました。

日本人は過去の戦争に対して謝罪し、許しを受けていく必要があると思います。ハルモニたちは、日本軍「従軍慰安婦」強制連行の事実を認め、日本政府が公式に謝罪することを求めています(ハルモニたちの要求は七項目あります)。個人の謝罪は何にもならないとイさんは話されましたが、日本人が今後もナヌムの家を訪れ、心からの謝罪を続けることによって、いつの日にか、ハルモニたちの心の傷が癒され、私たちの謝罪を受け入れてくれることを願います。それが私たち日本の市民にできることではないかと思いました。

最後に韓国PAXを受け入れて下さった平和構築共同体のみなさんのあたたかい歓迎、献身的なプログラムへの取り組みに感謝します。今後もこのプログラムが継続し、北東アジアの平和のために、寄与することを願って、私の報告としたいと思います。

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6月のフレンドシップアフタヌーン のお知らせ

2019.6 韓国PAX報告会チラシ6月のフレンドシップアフタヌーンは、韓国PAXの報告です。
ワールド・フレンドシップ・センター(WFC)は、二国間(韓国と日本)の草の根交流を通して、両国の過去の悲惨な歴史を乗り越え、平和を構築していこうというプログラム(韓国PAX)に取り組んでいます。 今回は日本から7人が、4月30日から5月5日まで韓国へ行って来ました。 韓国の人たちと交流した様子、現地で学び、感じたことなど、直接聞ける、またとない機会です。
皆さまぜひお誘い合わせの上、WFCにお越し下さい。

時:2019年6月22日(土)午後1:30~3:30
場所: WFC 居間
参加費: 500円 学生: 無料
参加申込の必要はありません。

広島市西区東観音町8-10
TEL 082-503-3191
FAX 082-503-3179
Email wfchiroshima@nifty.com

友愛11月号 — 田城美怜さんのアメリカPAX報告

友愛
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「アメリカPAXツアー」を振り返って
平和の基礎となるもの

 

12日間のアメリカPAXツアーは、私にとって「きっかけ」の旅となりました。

日々の体験や気づきから、外からの視点でヒロシマを見るきっかけ、大きな意味で「平和」を考えるきっかけ、そして自分を再確認するきっかけを得られました。

シカゴ大学の最初の核実験施設跡地にある記念モニュメントや国立アメリカ空軍博物館の展示を通して、核開発の始まりが現在も称賛されている文化を目の当たりにしました。ウェスリアン大学で中国人男性から第二次世界大戦中に日本軍がアジア諸国に行ってきたことへの指摘もありました。それぞれのストーリーがあり、歴史的解釈がある中、どうしたら未来に目を向けて話し合い、平和に向かって共に歩んでいけるのか。私たちの世代はこれからヒロシマをどう伝えるべきなのか。

ウェスリアン大学でのピースカンファレンスを通しては、紛争、歴史を遡る憎み合い、格差社会、男女差別など、世界中でそれぞれの「平和」を必要としている人たちの現状とそれらの状況を改善するための活動について学びました。「平和」とはなんなのだろう。一人一人にとっての平和は違うのか。共通するところはなんなのだろう。

私の中で答えは定かになっていない疑問ばかりですが、このようなことを考え、持ち帰ることができました。それらを心に留めながら、さらに学ぶ中で、その答えを少しずつ探っていきたいと思っています。

具体的な気づきとしては大きく二つあります。

一つめは、大学で何度か行ったクラス訪問です。そこでは、一方的プレゼンではなく、質疑応答などの対話が主でした。そこには能動的で直接的な人との繋がりがあり、とても有意義だと感じました。

二つめは、アートの力です。私のプレゼンでは「ヒロシマの孫たち」について少し紹介しました。そして天野さんの「父と暮せば」のひとり読み語りしばい。ヒロシマを伝える効果的な一つの手段として、アートには特別な力があると再確認しました。人間として、心が自然と共感したり、動かされたりする力に人種や国籍などは関係ありませんでした。

これらの気づきをこれから活かしていきたいと思います。今回は大学生より上の人に話すことが主でしたが、次回はもう少し広い世代に、歴史、証言、アートを含め、様々な方法を通してヒロシマを伝え、私たち一人一人が核問題を自らが直面している人類の課題として捉えていくことにつながってほしいと考えます。

毎日が新しいプレゼントを開けるかのような毎日でした。私が赤ん坊の頃に知っていたのよ、という女性との驚きの嬉しい再会が2回もありました。たくさんの人にお世話になり、様々な出会いの中で改めて感じたことがあります。それは、対話による学び、理解、繋がり。すなわち友達になること。やはり平和の土台はそこにあるのかなと強く思いました。

ブレズレン・ボランティアサービスのダンと妻のウェンディ。あなたたちの溢れる寛容さに感謝します。夜の会話の中では、新しい視点をたくさんもらいました。ベーグルから始まり、ベーコン、そして最高のコーヒー。私の小さなアメリカンドリームを叶えてくれました。二人のおかげで私たちの旅は素晴らしいスタートを切ることができました。

イリノイ・ウェズリアン大学のジョージー。意義深いピースカンファレンス、そしてそこから生まれたかけがえのない繋がりをありがとう。色々な気づき、そして学ぶことの幸せ、大切さを改めて感じることができました。あなたと、人として、女性として直面する様々な問題を語り合えた時間は本当に楽しかった。

ウィルミントン大学のタニア。短い時間の間にコミュニティー、アート、博物館と、信じられないくらい多方面から平和を考え、経験させてくれてありがとう。あなたの穏やかでありながら、静かに燃え続ける強さが私は大好きです。そして今までアメリカで食べた中で一番美味しかったかもしれない食事をありがとう。

歴史をもう一度学び直し、それを通して現在を考える必要性を気づかせてくれたスナイダー夫妻にも感謝しています。手作りデザート、そしてベーコンをたくさんありがとう。

ブラフトンのアリス。何年ぶりかわからないくらい長い年月を挟みやっと再会でき、あなたの89歳のお誕生日も一緒に過ごせて、本当に嬉しかった。私が小さかった頃から、今も変わらず、愛情を注いでくれてありがとう。そんなあなたの周りには愛情によって築かれたコミュニティーがあり、平和の根底にあるべきものを垣間見たような気がします。

 

共に旅をしてくださったPAXメンバーの方たち。それぞれの個性でお互いを支え合いながら過ごした掛け替えのない時間と、たくさんの笑いをありがとうございました。

そして最後に、いつも見守ってくださり、今回私にこの素晴らしい機会を与えてくださったWFCの皆さんに心からの感謝を送ります。

写真:写真がボケているのが残念ですが、私の楽しい旅仲間3人。大合唱しながらお散歩していました!

 

 

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友愛11月号 — 西井美穂さんのアメリカPAX報告

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「PAX アメリカツアーを終えて―真のボランティア精神から伝えられる平和―」

西井 美穂

 

私はPAX(Peace Anbassador Exchange、平和大使交換プログラム)のメンバー4人の一人として、2018年9月17日アメリカへ渡りました。

私の参加したPAXアメリカツアーは、9月17日から28日までのシカゴを中心とする12日間、4か所に数日間滞在しながらぐるっと一回りしてシカゴに戻り帰国するという行程でした。ぎゅっと凝縮され密度の濃い旅であろうと、これまでのPAXツアーに参加した諸先輩方から聞いておりました。参加前から様々な配慮をいただいていたこのツアーは、学び萬斎の楽しい旅であることは予想されましたが、体力の面で少し不安がありました。実際には、その不安も杞憂に終わり、最初から最後まで幸せな持ちで過ごすことができたのは、一緒に行ったPAXメンバーの仲間と日米のボランティア精神にあふれた人たちの連携プレーのおかげだと思っております。

このPAXツアーでの私の最大の学びの一つは、アメリカでは、家庭が一つの明確な社会の単位で、一人ひとりが社会に開かれているということを肌で感じることができたということでした。今回は平和のために活動している人たちとの出会いが中心だったので、そう感じたのかもしれません。しかし、積極的に他者のために働くための確固とした土台・組織があり、そこで働く人は楽しみながら責任をもって活動しているという様子をみるにつけボランティア精神が社会や個人に根差しているということを感じました。他者のために働くことは自己犠牲ではなく、むしろ自己の価値とつながっていることに感動しました。

さて、PAXメンバーとしての私のプレゼンテーションですが、出発直前日本で確認できたことは、12日間で自己紹介なども含めて少なくとも12回行うということでした。シカゴ周辺のElginのChurch of the Brethrenで2回、bloomington・NormalのIllinois Wesleyan Universityで7回、Wilmington Collegeでは2回、Bluffton UniversityのLion and Lamb Peace Arts Centerでは1回。

すべてのプレゼンテーションは、たとえ拙いものであったにしろ、私にはかけがえのない時間でした。しかしその中でも最も緊張し、かつ不安をおぼえ、また感動を覚えたプレゼンは、Illinois Wesleyan Universityでの日程の最後の日に行われた、Panel Discussionでした。私を除くパネリスト3人は、アフリカや中東出身の難民として生き抜いた人や、平和活動家などアメリカ在住の人たちでした。体験においても、英語力という意味でも、相当私とはかけ離れていると初めからわかっていました。それでも私は、自分のテーマである“The Spirit of the Memorial Cenotaph for Atomic Bomb Victims(原爆慰霊碑の精神)”は、根底において彼らの平和活動の精神とつながっていると信じていました。

Panelの終了する約30分前のことです。会場後方から、一人の中国の方が私に対して厳しい指摘をされました。日本人の南京大虐殺について数字をあげて糾弾するという雰囲気もありました。私はその時、過去の日本人の行為について謝罪するとともに、戦争には勝者も敗者もないこと、原爆慰霊碑は、人類の一員として戦争に加担したことを反省し、死者の前で戦争を絶対にしないことを誓うためにあると述べました。被爆者の場合は、原爆の被害者でありながら世界的な視点からは加害者であり、未来の平和のためには、被爆者を含む全人類が恨みや被害者意識を乗り越え、世界平和を誓うことが必要であることなどを、浜井信三元広島市長の自伝である『原爆市長』から引用しながら説明しました。自分の言いたいことが伝わったかどうか疑問でしたが、会場から拍手が聞こえたのでほっとしたのを覚えています。

WFC広島やアメリカの皆さまには、こうした機会を与えていただきありがたく感謝の気持ちでいっぱいです。英語能力の向上は、私の今後の課題としたいと思っています。

 

 

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友愛11月号 — 天野達志さんのアメリカPAX報告

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アメリカPAX 2018

天野達志

 

この度、PAX-USA 2018 に参加させていただきました。

今年4月、WFCの山根理事長より、「『父と暮せば』の一人芝居をアメリカでやってみないか」とのお声がけを頂いたのが始まりでした。英語字幕付きの公演を、既に館長ご夫妻をはじめ、WFCの方々にも観て頂いていましたので、是非やらせて頂きたいとの思いでお受けしました。日本の代表的な劇作家、井上ひさしが描いた、広島の原爆をテーマにしたこの物語を、アメリカの地で上演するという、大変貴重な機会を頂きました。「英語力の殆ど無い私が、果たして務まるのだろうか」という心配はありましたが、PAXメンバー(三村さん、西井さん、田城さん)の強力なサポートのおかげで、4会場でのパフォーマンスを全て大成功で終えることが出来ました。お力添えを頂いた皆様に心より感謝申し上げます。

ツアーでは、どの地でも、出会う方々みなさんに暖かく迎え入れて頂き、多くの方々のご支援を頂きました。イリノイ州エルジンのブレザレン教会での公演(9/19)では、ダンさんが、本番ぎりぎりまで、機器の調整に奔走して下さいました。ブルーミントンのウエスレアン大学(9/20)では、ジョシーさんが中心者となって動かれ、大学の先生にも通訳でお世話になりました。会場が、笑いと涙に包まれ、スタンディングオベーションを頂きました。ご来場のレイモンド・G・ウイルソン氏と昭子さん御夫妻から、被爆後の広島のパノラマ写真を3部頂きました(写真は後日、デイトン国際平和美術館とアリス・ラムセイヤーさん、WFCにお届けしました)。オハイオ州ウィルミントン大学(9/25)では、ピース・リソース・センターのタニヤさんに、脚立に登って、会場の照明をセットして頂くなど、大変お世話になりました。宿泊させて頂いたスナイダー氏ご夫妻や地域の皆さん、大勢の学生さんが観に来られました。ブラフトンのファースト・メノナイト教会(9/27)でも、地域コミュニティーの皆様が大勢いらっしゃいました。バーブさんの弟・ケンさんも来られました。89歳の誕生日を迎えられたアリスさんは、益々お元気で、私たちに細やかなお気遣いをして頂き、大変お世話になりました。

今回のツアーを振り返り、行く先々で出会った人たち、案内をして頂いた方々、暖かく迎え入れてくださったホストファミリーの皆さん、会場に足を運んでくださった方々、PAXメンバーの一人ひとりに、改めて感謝申し上げます。そして、このような貴重な機会を授けて頂いたWFCの皆様に、重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。

今回のツアーでの体験を、平和のメッセージを伝える公演活動に活かして参ります。広島と長崎に落とされた原爆の実相や、WFCを創られたバーバラ・レイノルズさんはじめ、核廃絶・世界平和に取り組んだ方々の歴史をさらに学び、伝えて参ります。今後とも宜しくお願い致します。

ありがとうございました。

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