WFCからのお知らせ
WFC つ・た・え・る プロジェクト
ワーキングチームリーダー
立花志瑞雄
2021.3.9
全てのことはつながっているという。であるならば、ワールド・フレンドシップ・センター(以下WFC)アーカイブズは、創立者のバーバラ・レイノルズさんにつながっている。WFCの創立から今年8月で56年。バーバラさんをはじめ創立当時のメンバーの多くが亡くなられてもなおWFCが存続しているのは、何故だろうか。バーバラさんの平和への思いが、WFCに連なる一人ひとりの心のなかで、生き続けているからだろう。バーバラさんの記憶がその人のなかで生き続けている。たとえバーバラさんに一度も会ったことがなくとも。アーカイブズとは記憶の遺産である。

一方、人の記憶ほど曖昧なものはないともいう。実は私は1980年代WFCのスタッフをしていた時期があったが、すっかり忘れていた。WFCの歴史を遡るうちに、自分自身がスタッフをしていたことを思い出した。バーバラさんの生きた証がアーカイブズの中にある。語られた言葉。書かれた言葉。言葉にはその人の思いが宿っている。私達が一つ一つの資料に触れ、読んでいくとき、私達は亡き人たちが、何を思い、平和のために活動してきたかを知ることができる。そして、それを次の世代に引き継いでいくことができる。アーカイブズは記憶を呼び起こし、伝えられることを求める。
話は遡るが6年前、被爆70年を覚える会議のためにプレゼンテーションを依頼された私は、30数年ぶりにアメリカに渡った。その機会に、WFCの創立50周年の催しで知り合ったウィルミントン大学平和資料センターの館長、ターニャ・マウスさんをオハイオ州に訪ねた。ウィルミントン大学平和資料センターは、アメリカに帰国したバーバラさんが創立したWFCと縁の深い組織である。ター ニャさんの案内で、所蔵されている資料の一部を見た。私の心に一番残ったのは、原爆乙女で知られる広島流川教会の谷本清牧師に関して、バーバラさんがタイプしたと思われる資料(何か所にも手書きの修正が加えられていた)である。私は後にWFCの機関紙「友愛」の保存作業のなかで、WFCと谷本牧師の関係を知ることなる。平和資料センターには、その他にもWFCに関係する貴重な資料が保存されていることは言うまでもない。アーカイブズは世界を結ぶ。


2019年8月、ターニャ・マウスさんは、平和資料センターに所蔵されていた長崎の浦上天主堂の被爆十字架を返還するために来日した(その十字架を平和資料センターで私も目にした)。広島にも立ち寄られ、じっくりとお話する機会があった。平和資料センターは、その所蔵資料について、インターネット上で情報を公開しているが、WFCがインターネットを通じて、バーバラさんやその活動の歴史について、発信していくことについて助言を求めた。WFCに保管してある図書文献、資料をカタログ化して、SNSを通じて、発信してはどうかと話された。地元のアーキビストから助言を受けることもすすめられた。
また、私は平和資料センターに人員を派遣して、所蔵されている日本語資料の整理に当たることの可能性について尋ねた。実は平和資料センターには、WFCも関わった「ヒロシマを伝える委員会(HAC)」から、沢山の原爆、平和に関する書籍や資料が送られている。ボランティアの人たちが関わった日本語文献の翻訳資料も送られた。新型コロナウイルスの感染拡大のため、2020年に予定されていた人員の派遣は延期されたが、近く実現することを期待している。アーカイブズは人と人を繋ぐ。


ターニャさんは広島滞在中、WFCの理事長を長く務められた森下弘先生にも会われた。森下先生は、理事長の職を辞されてから、一人ご自分の収集された資料の整理にあたってこられた。先生はWFCでターニャさんに、持参された写真を見せながら、ご自身の資料について話された。 ターニャさんは、森下先生の所蔵されている資料の重要性に気づき、その後、知り合いのアーキビスト筒井弥生さんを先生に紹介することになる(筒井さんは2020年7月に来広され、現在もサポートしてくださっている)。また、この時、ターニャさんはWFCに保管されているダンボール箱の資料をご覧になっている。これをきっかけに、WFCのアーカイブズが俄かに動き始める。

WFC創立当時の資料の多くは平和資料センターに保管されている。しかし、1970年代以降の資料が破棄されることなく、保管されていたことは奇跡ともいえる。資料たちは長い間、ダンボール箱のなかで、その扉が開かれることを待っていたのである。WFCでは2017年度から、被爆体験継承事業、つ・た・え・る プロジェクトを実施している。そのメンバーと共に原爆資料館を訪ね、資料保存について、助言をいただいた。アーカイブズ・プロジェクトの始まりである。


次に私たちが訪ねたのは、森下先生のお宅。膨大な資料が保存されていた。先生が見せて下さったのは、機関紙「友愛」の創刊号である(1967年10月20日発行)。半世紀が経過し、ところどころ破れている。原田東岷先生が書かれたマイ・フォン・ダオさんの記事(ベトナムから来広)、北ベトナムに支援物資をとどけるフェニックス号(バーバラさん一家はフェニックス号で世界を一周し、その帰路、水爆実験区域に乗り入れ、抗議した)に関する記事もあり、時代の雰囲気を感じさせる紙面である。この後、私は機関紙「友愛」を通して、WFCの活動の足跡を辿ることとなる。アーカイブズは、語りはじめた。
「江波界隈を巡るフィールドワーク その2」
<待ちに待った江波シリーズ第3弾!!>
【当日のルート】
海宝寺 → 江波山気象館(内部には入りません)→ 母子愛の碑
「江波界隈をめぐるフィールドワーク その2」と題し、今回も西村宏子さん(シュモーに学ぶ会代表)を講師にお招きし、フィールドワークを開催いたします。
西村さんの解説は、いつも心がこもっていて、「江波」への愛を感じずにはいられません。
WFC基礎講座第2期「ヒロシマの家」ーフロイド・シュモーと仲間たちー・WFC基礎講座第3期「シュモーハウスと江波界隈」フィールドワーク。毎回少しづつ、受講者の皆さんの江波愛も増してきたのではないでしょうか。
今回は、潮風を感じながら、江波らしい小路を縫って歩きます。花が咲き始めた春の江波で、新しい発見や出会いを是非ご一緒ください。
皆さんのご参加をお待ちしております。
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日時:3月27日(土)午前10:00~12:00
定員:先着20名
集合場所:江波本町第一公園 ※マスク着用でお願いします
参加費:一般参加者500円 WFC会員400円 学生300円
申し込み方法
お申し込みフォーム
または、WFC事務所までメールでお申し込みください。
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【お知らせ】
· 当日の移動ルートや連絡先などは参加者の方にメールでご連絡いたします
· 参加いただけない方は、フィールドワークの模様を録画致しますので、後日視聴していただくこともできます (費用は同額です)。
· 新型コロナウイルス感染拡大などの理由で、中止させていただく可能性もありますので、ご理解よろしくお願いいたします。
【お支払い方法】
★クレジットカード決済
★銀行振り込み
★WFCにて現金でお支払い
・クレジットカード決済はこちらから
https://syncable.biz/associate/wfc6545/donate/
・銀行振り込み
広島銀行
皆実町支店
普通預金 No.0098421
口座名義人 特定非営利活動法人ワールド・フレンドシップ・センター
理事 山根美智子
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ゆうちょ銀行
記号 15150
番号 24468111
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他金融機関からゆうちょ銀行
店名 五一八 店番 518
預金種目 普通預金
口座番号 2446811
2月27日(土)WFC Hiroshimaを つ・た・え・る 基礎講座をオンラインで開催しました。
今回、基礎講座の講師を務めてくださったのは、原爆文学研究家の松本滋恵(まつもとますえ)さんです。
テーマは『詩人として 平和活動家としての栗原貞子』
初めに、松本滋恵さんのご紹介として、テレビ取材を受けられた時の映像を視聴。被爆者としての松本さんの人生のお話を改めてお聞きしたくなりました。そして早速、「詩人として、平和活動家としての栗原貞子」の講座が始まりました。
一編の詩に対する作者としての思い、時代背景、詩に関わった人々との関係性、詩の中の一つ一つの言葉について、言葉の持つ意味が掘り下げられていきます。詩の解釈というのは、勿論、自由なのでしょうが、一編の詩の裏に一体どんな事があり、出会いがあり、思いがあるのか…。詩への新しい出会い方を教えて頂いたような気がしています。
また、新しい取り組みとして、受講者の方々に詩を詠んで頂きました。
「生ましめんかな」ー山根美智子さん
「ヒロシマというとき」ー中村朋子さん
「二十世紀の船出ーソ連核実験抗議船によせてー」ー天野達志さん
「詩の朗読」という時間は、何て平和で贅沢な時間かと改めて感じました。
松本さんの解説が加わった一編の詩に、更に詠み手の方の人生が加わり、聞き手の私達は、ただひたすらにその詩の世界へ引き込まれて行く…。本当に素晴らしい時間となりました。今回、詠んでくださった方々に、改めてありがとうございましたとお伝えしたいと思います。
3歳で被爆された講師の松本さんは、「自分の体験は本当に狭い、栗原貞子の経験を通して知る事ができた」とおっしゃいます。
私達も今回の講座を通して、栗原貞子の「命の尊厳」へ人として真正面から向き合う姿勢や、あの日のヒロシマで生きていた人々、亡くなった方々、戦後のヒロシマを生き抜いて来られた人達へ、思いを馳せるきっかけを頂きました。
松本さん、参加下さった受講者の皆さん。ありがとうございました。
【お知らせ】後日視聴していただけます。受講料は同額です。ご興味のある方は、WFCまでご連絡ください。
〈お詫び〉講座開始時間の遅れました事、また、音声トラブル等、大変ご迷惑をお掛けいたしました。
理事の渡邊道子様がお亡くなりになりました。皆さまに謹んでお知らせ申しあげます。
長年、WFCの為にご尽力された渡邊道子さまに哀悼の意を捧げ、
道子さんは、長年WFCの英語クラスや、ピース・セミナーにも熱
道子さんは旧満州の生まれで、敗戦後命からがら日本に帰られまし
道子さんは東洋大で司書の資格を修得され、長い間岩国市立図書館
この間、岩国兵士センターに関わられ、ベトナム反戦のアメリカ兵
広島に移られてからは、広島府中教会で教会役員、婦人会の会長と
オンライン基礎講座 2月のテーマ
「詩人として平和活動家としての栗原貞子」
講師は原爆文学研究科の松本滋恵さんです。
*今月の講座のチラシを添付しております。どうぞお友達にも声をかけていただければと思います!
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「1945年8月5日夕方、母の実家(本川町)から、自宅の江波に戻っていなければ、私はこの世にいません。」
3歳で被爆された松本さんは、「生かされている」そんな思いをずっと心に抱えながら生きてこられました。厳しい戦後を生き、24歳で結婚。8年後交通事故で夫が他界。給食調理師として働きながら、3人の子どもを育てました。
子ども達が巣立ち、「人生やり残しが、あるか?ないか?」と自分に問うた時、大学進学を決意され、「原爆文学」を専攻されます。
松本さんが研究されたのは「詩人 栗原貞子」。
栗原貞子さんの人生を研究する中で、「詩人としての栗原貞子」「平和活動家としての栗原貞子」に出会うのです。
詩人 栗原貞子さんの人生を辿りながら、詩「生ましめんかな」/詩「ヒロシマというとき」そして、ワールド・フレンドシップ・センターを設立したバーバラ・レイノルズとも関係のある 詩「二十世紀の船出―ソ連核実験抗議船に寄せてー」も御紹介くださいます。あらかじめ募った受講者による、詩の朗読も準備しております。
市民講座の講師も務めていらっしゃる松本さんの「詩人 栗原貞子」への思いに触れてみませんか?
たくさんの参加をお待ちしております。
<今月の講座チラシは、広島女学院大学准教授のロバート・ダーマーさんが作成してくださいました。ありがとうございます!>
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日時:2月27日(土)午前10:00~12:00
場所:ワールド・フレンドシップ・センターから配信
形式:オンライン講座
参加費:一般参加者500円 WFC会員400円 学生300円
申し込み方法:
お名前/メールアドレスをご記入の上、
WFC事務所までメールでお申し込みください。
wfchiroshima@gmail.com
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お支払い方法
★クレジットカード決済
https://syncable.biz/associate/wfc6545/donate/
★銀行振り込み
広島銀行 皆実町支店
普通預金 No.0098421
口座名義人 特定非営利活動法人ワールド・フレンドシップ・センター
理事 山根美智子
ゆうちょ銀行店名 五一八 店番 518
預金種目 普通預金
口座番号 2446811
★WFCへ直接、お持ちください
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*オンライン配信の方法
Zoomを使ってライブ配信を行います。
詳しくはメールで参加者の方に連絡いたします。
*インターネット環境のない方の為のWFCでの受講は、新型コロナウイルス感染拡大のため今回はありません。
*ライブ配信を見逃された方のために、講座の様子を録画する予定です。後日、視聴を希望される方もお申し込みください(費用は同額です)。