1月基礎講座を開催
「広島の戦後復興と新たなアイデンティティの構築」

1月つたえる講座ー弓狩匡純さん2022年1月23日㈯
 
WFC Hiroshimaを つ・た・え・る基礎講座1月
「広島の戦後復興と新たなアイデンティティの構築」
 
無事に開催することが出来ました。
講師を引き受けてくださった作家でジャーナリストの弓狩匡純さんに心から感謝申し上げます。
また、ご参加いただいた皆様、後日視聴を申し込んで下さった皆様にも心から感謝申し上げます。
 
この講座が終わった時、「復興」そして「平和」というこの言葉が私の心に残っていました。
それは、当たり前のように「復興」した土地の上に住み、当たり前のように「平和」を享受してしまっている自分に気がついてしまったという感覚かもしれません。
今日参加された皆様の感想をシェアさせて頂きます。
 
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Saturday, January 23rd, 2022
 
WFC Hiroshima January Pass-On Lecture
“Hiroshima’s post-war reconstruction and establishing of a new identity”
 
We would like to express our deep gratitude to Mr. Masazumi Yugari, an author and journalist.
We would also like to thank all the people who have joined to hear the lecture and to those who have signed up to watch the recorded lecture.
 
When the lecture was over, the words “reconstruction” and “peace” remained in my heart.
It may have been my own sense of realization that I am taking for granted the fact that I am living on “reconstructed” land and enjoying “peace.”
Below are some of the comments we received from the participants.
 
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つたえる講座1月アンケート
 
(60代)
とても勉強になり指摘いただきました。
私は被爆二世で朗読ボランティアと伝承をしていますが、気づきながら目をそらせてきたところ、これからの心構えなどをしっかりとこころして進みます。ありがとうございました。
 
(60代)
初めての参加でした。まだ著書を読まないままでの参加でしたが、お話を聞き終わって読みたい気持ちが増してきました。質問も参加者の方の思いを聞くことができて大変参考になりました。
 
(60代)
弓狩さんの今日の講座は分かりやすく興味深かったです。広島の外から中にいては気が付かないことを話してもらいました。
伝承について指摘されたことはこれから伝承者になろうとしている私が常に悩んでいる部分でした。伝言ゲームと言われましたが正にそうですね。被爆者自身がリアルに語る映像がいくらでもある中で伝承の意義は何だろうと悩みながら研修を進めているところです。被爆体験の絵を描くことは一度じぶんの中に入れて咀嚼して表現することだとおっしゃったと思うのですが伝承も同じでつらい体験を自分の中に一度取り入れることなしにはできません。その中のどこを表現するか悩みは大きいです。「被爆体験」の「伝承」という言葉にも惑わされます。切明千枝子さんは「伝えてください。伝える人がいなかったらなかったことになる。忘れられてしまう。」とおっしゃいますが、どう伝えるか、今日のお話は示唆に富んでいました。おっしゃったことを心に留めて、今からも迷いながら悩みながら進めるしかなさそうです。
加害のことについて、広島は加害のメインではないといわれたように受け取ったのですが、第5師団11連隊の加害は主に広島出身の連隊が、マレーシア。シンガポール等で一般市民に対して行った虐殺で、直接広島の加害と言えるのではないかと思います。沼田鈴子さんが原爆を当然のことだと言う東南アジアに度々出かけ加害と被害の話をして信頼を得ていたことを思うと、伝承者はやはり加害のことを学び知っておかなければならないのではないかと思いました。
核兵器禁止条約や、核兵器自体の未来についてのお話は興味深かったです。核兵器を無くした後の核のゴミの処理についても核保有国の重荷になるってこともあるかもと思ったりしました。
ありがとうございました。
 
(60代)
伝承者としての自分の立ち位置について疑問を抱いていた時に今日の弓狩先生の講話はとても参考になりました。ご説明がとても端的でわかりやすく、今後取り組んでいくうえで参考になるお話でした。
また、基町高校の生徒さんの原爆の絵の取り組みも全く同感で次世代の伝承者としての役目を担っていると思います。そして、二冊の本をぜひ読んでみようと思いました。
核禁条約は今後進むだろうというご意見、その理由を嬉しく拝聴しました。ありがとうございました。
 
(70代)
今日のお話しは、著書を読んで受けた印象よりずっと柔軟で且つ論理的だと感じました。私の意見とは異なる点もありましたが、講演内容、質疑応答共にとても良かった。
この講演を起点として議論すべき論点は多々あると感じました。特に、ヒロシマのアイデンティティがターニングポイントにあることは重要な指摘で、多くの平和団体や広島人はひょっとして「茹で蛙」状態にあり、このことの重要性に気づいていない可能性がある。被爆証言の課題指摘も全くその通りと感じました。コロナ禍もゲームチェンジャーです。県外の方の指摘は貴重だと感じました。
 
(70代)
被爆の実相ばかりに目を向けていましたが、戦後復興の意義をしっかりお伝えすることが出来るようになることが大切だと思いました。
2~3年で今の状況ががらりと変わり、世界から広島に来る観光客は、平和を見に、平和の思いをするために来る、わざわざ広島に来るのは、自分の目で見たい、自分でお話を聞きたい人のみで、来客はグッと減ると聞いて、少しショックでした。
核兵器も持っていても使えないもの、使ってはいけないもの、使えないものを維持するのは大変、メンテナンスに膨大な費用がかかる、重荷になってくる、、、遅かれ早かれ消滅する。
福島の事故が、核保有国に恐怖を与えた。いろんな理由で廃絶せざるを得なくなる。
今では、核の傘は死後になっている etc. 面白い発想でした。
広島は、世界で唯一の平和都市である。広島ができること、広島でなければできないことは、色のつかない平和を世界にの訴えることなのですね!
とても分かりやすいお話をありがとうございました。
 
(60代)
復興の広島で育ち、平和教育を受けた私にとって広島人でないと分からないと思われることはあります。
他県の方も同様な思いはあるはずです。
他県の出身で世界を回り、外からみた広島の復興のお話しが聴くことができ、視野が広がったようです。率直に言って、他県の方に広島のことを話していただくことには抵抗がありました。
 
(70代)
事前準備に「平和の栖」の本を読んでいたので大変分かりやすすかったです。
とても参考になりました。
「平和のバトン」も購入して読みました。
今回の内容は、体験伝承者の私にとってとても参考になりました。
次回の講座を楽しみにしております。
有難うございました。
 
(70代)
弓狩氏の今回の講話は大変興味深く参考になりました。7年前から広島に関心を持ち再々広島を訪れ沢山の人にインタビューして「平和のすみか」と「平和のバトン」を書かれたそうですがそのご努力と情熱に頭が下がります。殊に広島の戦後復興の経緯に光を当てて下さった事に感謝します。広島が国際平和記念都市として蘇るまでに多くの方の困難を乗り越える尽力があった事は一般の人々はあまり詳しく知らないと思いますので改めてそれを掘りお越し記録するのは貴重だと思います。浜井市長は良く知られていますが、他の方々は忘れられているのではないでしょうか?
被爆証言のあり方に対するご提言も目から鱗でした。被爆証言が時間的制約もあり8・6の被爆体験に集中限定されるあまりパターン化しているのではないかというご指摘にはっとさせられました。昨年、亡くなった岡田さんが被爆証言をされる時、被爆体験だけでなく海外派遣事業に参加された時の事も話されることに対して被爆者なのだから被爆体験だけ話されれば良いのではという声がありました。しかしながら岡田さんは自分は過去の事だけ話して終わりにするつもりはないと言ってご自分の意志を貫かれました。被爆者一人一人が人間として固有の人生を送っていたのだから被爆前の体験も含めて語る事によってより強く人々の心に届くという説は御もっともです。できれば戦後、廃墟の中で心身ともに傷つきながらどの様に日々を過ごしていたのかその体験も是非聞きたいと思います。十代で被爆された方々がどんどん亡くなり2~3歳で被爆した人や胎内被爆者の方も証言を始めています。彼らは生々しい体験の記憶に欠けているかもしれませんが、戦後の広島で様々な困難に直面しながら生きて来られたのですから立派に被爆証言が出来ると私は考えます。
今回弓狩さんを推薦、紹介して下さった天野達志さんと三村庸子さんに感謝します。
 
(70代)
大変素晴らしい内容であった。
 
(60代)
弓狩先生のお話は、伝承者としてとても参考になるものでした。
ヒロシマの新たなるアイデンティティを模索していかなくてはならないとの考えは、ひとつの指標となることでしょう。
確かに伝承は、伝言ゲームという側面もあると思います。被爆者の記憶をできるだけ正確に伝えることを肝に銘じるとともに、未来に通じる平和運動になるように考えていきたいです。(広島市は、伝承者の伝承者は作らない方針です。そこから、家族伝承者育成の考えが出れ来たのかもしれません。)
ありがとうございました。次回も、楽しみにしています。
 
(60代)
大変わかりやすい講義でした。伝承者養成中に参考になるアドバイスをいただきました。ありがとうございました。
広島市の実施している伝承者養成の仕組みも、開始から10年も経つと事情の変化から見直しが必要です。弓狩様をはじめとする各方面の多くの方からのご意見を、寄せていただきたいです。
「復興」という言葉をきっかけに、広島の取材をはじめられ、その取材力に感心いたしました。浜井市長の著書で知識を得ていましたので、時間帯は限られていますが理解が深まりました。
基町高校の生徒の活動は、以前NHKでも放映があり、証言者・伝承者も使えるようです。広島市の認定以外の伝承活動では、自分も含めて体験を想像しにくい世代に向けての様々な工夫を重ねたいと考えています。
 
(60代)
『平和の栖』を読ませていただき、今回の公演を聞かせていただき、日頃被爆体験伝承者として感じている疑問や迷い、これからの方向性など今一度考え直していく道標となりました。
広島に携われた7年間で『平和の栖』の詳細で膨大な内容を発信してくださった事、本当に感謝いたします。伝承者仲間も、「バイブルとして手元に置いておきたい」と申しておりました。
本当にありがとうございました。
 
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講座の後日視聴はいつでも受け付けております。よろしくお願いします。
視聴可能な基礎講座はこちらのページからご覧いただけます。