友愛11月号 — 三村庸子さんのアメリカPAX報告

友愛
特定非営利活動法人ワールド・フレンドシップ・センター機関紙

 

アメリカPAX報告

三村 庸子

 

6月末の公募を見て応募しました。メンバーに選んで頂いてこの度参加できたことは私にとって得がたい貴重な経験となりました。アメリカでは4ヶ所訪れましたが個人旅行では到底成しえなかった、たくさんの方とお会いすることが出来、また沢山の場所を訪問できました。これはひとえにWFCがそれぞれの機関と培ってきた歴史のおかげだと痛感しました。行く先々で暖かく迎えていただき、コミュニィティーの結びつきの強さを感じました。また、綿密な準備に力を注いでくれたそれぞれの地でのオーガナイザーの方達、WFCのPAXコミティーの方達のおかげだと感謝しています。

1番初めに訪れたのはシカゴから西北に位置するElginでした。ダンさんに依るとここはブレズレン(平和主義の教会の1つ)の本部で、かつてはブレズレンの出版業務部門として発展しました。こちらではシー・カウボーイの本も出版しました。今では、多くの業務のうちここで数週間のトレーニングをへてボランティアを国内・国外に送りだしています。現在の館長夫妻はこちらのBVS(ブレズレン・ボランティア・サービス)を経て広島のWFCに来られました。

イリノイ・ウェズレイアン大学では昨年6月にインターンとしてWFCに8週間いた ジョージーがリーディング・オーガナイザーを務める大学の国際平和デーに参加しました。9月21日の国際平和デーに合わせて国際平和カンファランスデーを20日から22日まで開催しており、私たちは初日から7つのクラスビジットをしました。クラスでは自己紹介のあと質疑応答があり、クラスや学生の考えを知るいい機会にはなりました。この大学ではヒロシマについてよく学んでいるという手ごたえがありました。質問の内容は、ネイティブでない私にとってその場ですぐ返せるものばかりではなく、質問がクラスビジットで有ることを認識していれば、ある程度想定して考えをまとめておきスムーズに話が出来たと反省しています。満足のいく答えを返せなかったという思い、力不足を痛切に感じました。

私のプレゼンの内容はWFCの紹介と自分のピースガイドを通し、無辜の市民(夫の身内も含め)が原爆被害を受けた話をしました。6時半から、パネルとディナーという形で、私の後はハンク・キャンベル氏でパレスチナとイスラエルの青少年をアメリカでのキャンプを通して多様性を学んでもらうという活動とか地域のロータリー・クラブでも活躍している方で 私の緊張は高まるばかりでした。でも一番前の席にPAXメンバー3人が座ってここにいるからねと言ってくれたのは、不安を拭い去るに十分効果がありました。この場面だけでなく道中冗談を言い合ったり何かと助け合ったりありがたい仲間でした。

ウィルミントン大学ではまずピースリソースセンターを訪れタニヤさんにお会いし、そこで地域の方の心のこもった美味しいポットラックパーティーを楽しみました。ここでは地域と大学がとても近い感じでした。ここには日本語の核に関する書籍が日本以外では最多の700冊あるそうです。バーバラ・レイノルズの記録資料の整理と分類がタニヤさんと学生の手で進んでいます。

ブラフトンではオーガナイザーのアリス・ラムザイヤーさんの家にまずお邪魔し、ホームステイ先の家族と会いました。ブラフトン大学ではディレクターのルイーズさんに構内の彫刻を案内していただき平和への発信を芸術と文学を通してする強い意志が感じられました。小学生から、平和について学ぶ居心地のいい、本を揃えた部屋があり “さだこ”を伝えていました。プレゼンは3人続けてLion & Lamb平和芸術センターでありブラフトン新聞でアリスさんが宣伝してくれていたのでコミュニティの人たちが多かったようです。私のステイ先のスティーブさん(当大学の数学教授)や学生もいました。後で各自、話が弾み楽しかったです。

この旅でPAXが訪ねた4つのコミュニィティーは、年月をかけて“ヒロシマ”を伝えて“核兵器が人類の未来を危うくするもの”と理解を進めているところでした。いまだアメリカでは核保有国として自国の立場を主張し是認する意見が強いようですが、ほんの小さい私達の力でもつながることで大きな1つの意見となると思います。

この思いを強くもって歩んでいこうと思いました。機会を与えていただきありがとうございました。

 

The Lion and Lamb Peace Arts Center in Bluffton University

 

Copyright © NPO World Friendship Center 2018 All Rights Reserved
無断転載、複製を禁ず