友愛10月号—広島を振り返って ダニー・オットー
友愛
特定非営利活動法人ワールド・フレンドシップ・センター機関紙
広島を振り返って
ダニー・オットー
過去2年間を振り返ると、私の心は思い出で一杯になり、広島での私の経験について書くことは困難です。私たちは多くの素晴しい人々に出会いました。まず第一に、WFCに関与し、センターの活動に多大な時間と労力を提供している広島の人々に出会い、また、広島の被爆の実相について学ぶために、様々な国から来た多くの興味深いゲストたちに出会いました。時には私たちは二つの世界に住んでいるように思いました。ある時は、世界各国のゲストたちと一緒に時間を過ごし、朝食を提供してから、バーバラ・レイノルズの話と、平和と核軍縮のための彼女の仕事について話しました。レイノルズの話をした直後に、私は英語の授業で、地元のWFCメンバーと会って、広島への爆弾の影響についても一緒に考えたものでした。できれば、この二つのグループの人々を結びつけられたら良かったと思います。
全ての海外からのゲストたちとの時間を私たちは楽しみましたが、記憶に残る何人かの人たちがいました。最初の年の2月、あまりゲストで忙しく無い時、私たちはある女性から一組の男女二人連れのリクエストを受け付けました。急な予約でしたが、彼らが被爆証言を必ず聞けるように確認を求めました。彼らが到着すると、私たちは一緒に、お茶と会話の時間を過ごしました。自己紹介の後、女性は、これまでに軍関係者を受け入れたことがあるかと尋ねました。私は誰も思い出しませんでしたが、軍の人々も歓迎されることを彼らに保証しました。すると彼女は、男友達に彼の仕事を教えるように促しました。それで彼は私たちに、アメリカ空軍で現役であり、空軍戦略司令部で勤務し、アメリカの核武装した爆撃機を目標に導くためのプログラミングの開発を任されたと語りました。彼の仕事は、爆撃機のパイロットをルイジアナの基地から潜在的な攻撃目標に導くための詳細なチェックリストを開発することでした。それから彼の友人が言葉をはさみ、新たな核戦争が発生した場合に何が起こるかを彼に理解して欲しいと思って、彼らは広島とWFCに来たのだと言いました。
翌日、二人のゲストはヒバクシャの話を聞き、WFCガイドと一緒に平和公園を巡って、原爆資料館を見学しました。夕方、彼と私は夜遅くまで戦争、戦争の脅威、平和の本質について話し合いました。翌朝、彼らは出発しました。私たちは彼の名前を尋ねませんでした。彼は空軍の彼の上司が彼の訪問を知ったら喜ばないだろうと言いました。私たちは二度と彼らの消息を聞くことはありませんでしたが、私はよく考えます。彼の広島訪問とWFC宿泊が、ひょっとしたら彼の仕事に対する考え方を変えたのではないかと。
バーバラ・レイノルズは、WFCの使命を「一期一会が平和を築く」と設定しました。これは重要な使命であり、空軍の一員との出会いの例は、私たちが個人レベルで真剣な会話をして人々と触れ合うことができる一例です。私は、このように非常に個人的な方法で平和の構築に取り組む機会を与えてくれたWFCに感謝しています。
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